特定技能の物流倉庫分野とは|対象業務・企業要件・試験開始時期
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物流倉庫分野は、2026年1月23日に特定技能の対象へ追加されました。特定技能1号の技能評価試験は、2026年6月時点で開始時期が未定です。
入出庫・検品・格納・ピッキングなどが対象ですが、すべての倉庫事業者が受け入れられるわけではありません。事業者類型と情報システムの要件を先に確認し、新分野全体の進捗は特定技能の新分野ガイドでも確認できます。

合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立。2025年には4つの商工会議所で「外国人活用セミナー」の講師を務める。
武藤 拓矢のプロフィール物流倉庫分野の開始時期
物流倉庫分野は、2026年1月23日の閣議決定で特定技能と育成就労の対象へ追加されました。育成就労は2027年4月に始まります。
一方、特定技能1号技能評価試験の開始時期は未定です。国土交通省の物流倉庫分野ページは、2026年6月時点で試験実施要領を調整中としています。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 分野追加の閣議決定 | 2026年1月23日 |
| 育成就労制度の運用開始 | 2027年4月1日 |
| 特定技能1号技能評価試験 | 開始時期未定(2026年6月時点、実施要領を調整中) |
| 1号特定技能外国人の受入れ見込み数 | 令和8年度から3年間で11,400人が上限 |
| 特定技能2号 | 現時点で受入れなし |
対象となる倉庫作業
対象は、物流倉庫で行う貨物の入出庫、保管、その他の倉庫作業です。
- 入出庫貨物の受渡しと検品
- 貨物の移動と保管庫への格納
- ピッキングと流通加工
- 作業場所の整理、清掃、連絡などの関連業務
関連業務だけに従事させる配置は避けます。雇用契約と実際の担当作業が、物流倉庫分野の中心業務に合うかを確認してください。
受入れ可能な事業者の3類型
国土交通省は、受入れ可能な事業者を次の3類型として示しています。
- 倉庫業登録があり、倉庫作業を自ら行う事業者
- 登録倉庫業者の倉庫で、委託を受けて倉庫作業を行う事業者
- 一般・特定貨物自動車運送事業の許可があり、占有する倉庫で自ら倉庫作業を行う事業者。または運送事業に関連し、他人の需要に応じて有償で倉庫作業を行う事業者
単に倉庫を使用しているだけでは判断できません。倉庫業登録、委託関係、運送事業の許可に加え、倉庫の占有関係、作業主体、事業との関連性、有償性を確認します。
受入れ企業の雇用形態は直接雇用に限られ、労働者派遣による受け入れは認められません。この要件は特定技能・育成就労のいずれにも適用され、法務省の物流倉庫分野別運用方針で定められています。
外国人本人に求められる要件
特定技能1号では、物流倉庫分野特定技能1号評価試験と、日本語能力A2相当(日本語教育の参照枠A2.2相当以上)の試験への合格が必要です。日本語はJLPT N4などが目安になります。
技能評価試験は試行を終えていますが、開始時期は2026年6月時点で未定です。募集時に試験日を断定しないでください。
受入れ企業のシステム要件
物流倉庫分野には、企業側の情報システム要件があります。
- 入庫管理、在庫管理、出庫管理の機能を持つ情報システムを利用する
- 生産性と労働安全衛生の向上に役立つ機器またはシステムを利用する
- 2つの仕組みを連携し、機能を拡張できる状態にする
システム名だけでなく、現場での利用実態が確認対象になります。倉庫管理システムの画面、運用手順、担当者を整理してください。
業務委託事業者に必要な協定
登録倉庫業者から業務委託を受ける事業者が雇用主になる場合は、委託元と協定書を共同作成します。外国人の雇用継続に関する責任を明らかにするためです。
契約関係が複数社にまたがる場合は、雇用主、指揮命令、作業場所を図にして確認すると齟齬を見つけやすくなります。
協議会と1号支援の準備
受入れ企業は特定技能の分野別協議会の構成員であることが要件として定められ、物流倉庫分野の加入受付時期は2026年6月時点で調整中です。1号特定技能外国人の受入れ人数は令和8年度から3年間で11,400人が上限として運用されます。
法務省の物流倉庫分野別運用方針は、この上限に近づくと在留資格認定証明書の交付を一時停止する仕組みも示しています。生活支援を外部へ委託する場合は登録支援機関の役割を確認してください(企業要件や協議会対応をすべて委託できるわけではありません)。
採用開始までに進める準備
3類型の該当確認から直接雇用体制の整備、システム利活用の記録まで準備を進め、倉庫内作業ならすべて対象と考えるなどの誤判断を避けます。
- 自社が受入れ可能な3類型のどれに当たるか確認する
- 直接雇用の体制になっているか、人材派遣で受け入れていないかを確認する
- 対象業務と関連業務を分けて職務記述書を作る
- 倉庫管理システムと安全機器の利用状況を記録する
- 多言語の安全表示と教育手順を整える
- 試験と協議会の公表情報を定期確認する
採用前に避けたい判断として、次のような誤解に注意してください。
- 倉庫内作業ならすべて対象と考える
- 技能試験の開始前に入社日を確約する
- システムを導入しただけで要件を満たすと判断する
制度要件は事業者、事業所、業務、外国人本人の4点で確認し、1点だけの確認では足りません。
受入れ支援の相談先は物流倉庫分野の受入れ支援にまとめています。
よくある質問
- ピッキング作業は対象ですか?
- 物流倉庫で行うピッキングは、国土交通省が主な対象業務として示しています。ただし、受入れ事業者の類型と事業所要件も満たす必要があります。
- 2027年4月から特定技能で雇えますか?
- 2027年4月は育成就労の開始時期です。特定技能1号の技能評価試験は開始時期未定のため、公式発表を確認してください。
- 人材派遣で特定技能外国人を受け入れられますか?
- 受け入れられません。特定技能・育成就労とも雇用形態は直接雇用に限られ、労働者派遣は認められていません。
- 1号特定技能外国人の受入れ人数に上限はありますか?
- あります。物流倉庫分野の1号特定技能外国人は、令和8年度から3年間で11,400人が受入れの上限として運用されます。
- 物流倉庫分野で特定技能2号の受け入れはできますか?
- 現時点ではできません。物流倉庫分野で受け入れられるのは育成就労と特定技能1号のみで、特定技能2号の受け入れは設けられていません。
まとめ
700名以上の外国人採用支援に携わった実務では、新しい受入れ分野ほど会社名や倉庫の有無だけで適格性を判断しないようにします。まず倉庫業登録、委託契約、運送事業許可、倉庫の占有関係から3類型のどれに当たるかを整理し、雇用形態が直接雇用になっているかを確認します。
次に職務記述書を現場工程と照合し、WMSの入出庫・在庫管理画面、安全機器の利用記録、担当者の運用手順を証跡としてそろえます。特定技能1号の試験開始時期と協議会の加入受付時期は未確定のため、採用日を約束する前に国土交通省ページの更新日も確認します。

