【2026年6月施行】特定技能1号「工業製品製造業」が17区分・76分類に拡大

【2026年6月施行】特定技能1号「工業製品製造業」が17区分・76分類に拡大

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2026年6月1日の制度改正により、特定技能「工業製品製造業分野」は業務区分と産業分類の両面で対象範囲が拡大しました。特定技能1号は業務区分10→17、産業分類49→76へと広がっています。

一方で、製造業であれば一律に採用できるわけではありません。就労事業所の産業分類と担当業務の区分の両方を満たす必要があり、分野の基本情報は特定技能「工業製品製造業」の可能業務・採用条件もあわせて確認してください。

改正の要点(特定技能1号)

  • 業務区分10区分 → 17区分(新設7)
  • 産業分類49分類 → 76分類(追加27)
  • 判定事業所の産業分類 × 担当させる業務区分の両方
合同会社エドミール代表社員・武藤拓矢
合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。

武藤 拓矢のプロフィール

2026年6月改正で工業製品製造業分野はどう変わったか

2026年6月1日の改正で、特定技能1号の業務区分は10区分から17区分へ、受入れ可能な産業分類は49分類から76分類へ拡大しました。変更の軸は「業務区分の拡大」と「事業所の産業分類の拡大」の2つです。

  • 業務区分の拡大 外国人が従事できる仕事の種類が増えた
  • 産業分類の拡大 特定技能外国人を受け入れられる事業所の種類が増えた

改正の経緯(閣議決定・告示・施行)

2026年1月23日に、特定技能制度の分野別運用方針の変更が閣議決定されました。その後、2026年5月8日に工業製品製造業分野の改正告示が公布され、2026年6月1日に施行されています。

  1. 閣議決定

    分野別運用方針の変更

  2. 改正告示の公布

    工業製品製造業分野の改正告示

  3. 施行

    対象範囲の拡大が適用開始

制度の全体像や1号・2号の違いは、在留資格「特定技能」とはでも整理しています。

変更点の数値一覧(1号・2号)

項目特定技能1号特定技能2号
業務区分10区分 → 17区分(+7)3区分のまま変更なし
既存区分の業務追加6区分で従事可能業務が拡大
受入れ可能な産業分類49分類 → 76分類(+27)19分類 → 46分類

※数値は2026年6月1日施行の改正内容に基づきます。

特定技能1号で新設された7つの業務区分

新設されたのは、電線・ケーブル製造、プレハブ住宅製品製造、家具製造、定形・不定形耐火物製造、生コンクリート製造、ゴム製品製造、かばん製造の7区分です。これにより特定技能1号の業務区分は合計17区分になります。

  • 電線・ケーブル製造
  • プレハブ住宅製品製造
  • 家具製造
  • 定形・不定形耐火物製造
  • 生コンクリート製造
  • ゴム製品製造
  • かばん製造

各区分で従事できる主な業務

業務区分従事できる主な業務
電線・ケーブル製造電線・ケーブル製造
プレハブ住宅製品製造大工工事、タイル張り、普通旋盤、金属プレス、構造物鉄工、機械板金、建築塗装、金属塗装、噴霧塗装、手溶接、半自動溶接、コンクリート製品製造
家具製造金属プレス、機械板金、家具手加工、圧縮成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、金属塗装、噴霧塗装、工業包装、手溶接、半自動溶接、家具組立て、マットレス製造、家具シート縫製
定形・不定形耐火物製造定形耐火物製造、不定形耐火物製造
生コンクリート製造生コンクリート製造
ゴム製品製造成形加工、押出し加工、混練り圧延加工、複合積層加工
かばん製造かばん製造

出入国在留管理庁の分野ページでも、特定技能1号の従事業務として上記7区分を含む17区分が示されています。

出典:出入国在留管理庁「工業製品製造業分野」

既存6区分で従事できる業務が広がった内容

機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、陶磁器製品製造、紡織製品製造、縫製の6区分では、従事可能な業務が追加されました。新設7区分だけでなく、既存区分の中身も広がっている点が実務では見落としやすいポイントです。

見落としやすいポイント

「新しい区分が増えた」だけでなく、すでに対象だった区分でも担当できる作業が増えています。自社業務が既存区分に入る場合も、追加業務の有無を確認してください。

機械金属加工

  • 電子機器組立て
  • ビーズ法発泡スチロール成形
  • プラスチック成形材料製造
  • アルミニウム圧延・押出製品製造(引抜加工)
  • アルミニウム圧延・押出製品製造(仕上げ)
  • フィルム加工(ドライラミネート、押出ラミネート、スリット、製袋、フラットヤーン)

電気電子機器組立て

  • ビーズ法発泡スチロール成形
  • プラスチック成形材料製造
  • フィルム加工(ドライラミネート、押出ラミネート、スリット、製袋、フラットヤーン)

金属表面処理・陶磁器・紡織・縫製

  • 金属表面処理:バフ研磨
  • 陶磁器製品製造:排泥鋳込み成形、タイル成形、衛生陶器成形
  • 紡織製品製造:製網、染色(捺染)
  • 縫製:タオル製造、カーテン縫製

受入れ可能な産業分類は76分類へ拡大した

特定技能1号で受入れ可能な事業所の産業分類は、49分類から76分類へ拡大し、27分類が新たに追加されました。自動車・同附属品製造業や航空機・同附属品製造業も、受入れ可能な事業所の産業分類として加わりました。

自動車・航空機は「産業分類」の追加

新しい業務区分として「自動車製造」「航空機製造」が増えたわけではありません。受け入れ可能な事業所の種類が増えた、と理解してください。担当させる仕事は、認められた業務区分の範囲内である必要があります。

新たに追加された27分類の主な例

追加分類は、木材・家具、ゴム・かばん、セメント・陶磁器・耐火物、鉄鋼・非鉄・電線、住宅・金属製品、輸送用機械などに広がっています。

区分主な追加産業分類(例)
木材・家具1221 造作材製造業(建具を除く)、1224 建築用木製組立材料製造業、131 家具製造業、1391 事務所用・店舗用装備品製造業、1393 鏡縁・額縁製造業、1399 他に分類されない家具・装備品製造業(黒板、プラスチック製家具・装備品、強化プラスチック製家具に限る)
ゴム・かばん19 ゴム製品製造業、206 かばん製造業
セメント・陶磁器・耐火物2122 生コンクリート製造業、2129 その他のセメント製品製造業、2141 衛生陶器製造業、2146 陶磁器製タイル製造業、2151 耐火れんが製造業、2152 不定形耐火物製造業
鉄鋼・非鉄・電線2236 磨棒鋼製造業、2237 引抜鋼管製造業、2332 アルミニウム・同合金圧延業(抽伸、押出しを含む)、2341 電線・ケーブル製造業(光ファイバケーブルを除く)
住宅・金属製品2432 ガス機器・石油機器製造業、2442 建設用金属製品製造業(鉄骨を除く)、2444 鉄骨系プレハブ住宅製造業、2471 くぎ製造業、2479 その他の金属線製品製造業(溶接材料製造業に限る)
輸送用機械・その他311 自動車・同附属品製造業、314 航空機・同附属品製造業、3253 運動用具製造業、3293 パレット製造業

既存分類内で対象範囲が広がった例

新しい産業分類の追加だけでなく、既に対象だった一部の産業分類でも、対象となる製造品や業種の範囲が広がっています。

  • 製缶板金業:ドラム缶・ペール缶製造業が追加
  • その他の金属表面処理業:バフ研磨業が追加
  • 他に分類されない金属製品製造業:金属製はしご製造業および脚立製造業が追加
  • 電気機械器具製造業:自動車用の内燃機関電装品を製造する産業が対象に追加
  • 他に分類されないその他の製造業:人体保護具製造業が追加

自社が受け入れられるかの判定方法

就労事業所が対象の日本標準産業分類に該当し、かつ外国人に担当させる主たる業務が認められた業務区分に該当する必要があります。産業分類に該当する会社であっても、どのような仕事でも担当させられるわけではありません。

  1. 事業所の産業分類を確認

    外国人が実際に働く事業所が、対象の日本標準産業分類に該当するか確認します。会社全体ではなく、就労する事業所単位で見ます。

  2. 担当させる業務区分を確認

    主たる業務が、認められた業務区分に該当するか確認します。産業分類に入っていても、業務区分外の仕事は任せられません。

  • 直近1年間に、対象産業に該当する製造品の出荷額等が発生している
  • 産業分類と業務区分の両方を満たしている
  • JAIMへの賛助会員入会の準備ができている(または済んでいる)

受け入れ実務の進め方は、特定技能「工業製品製造業」の受け入れ支援でも案内しています。

特定技能2号の業務区分と産業分類の変更点

特定技能2号の業務区分は3区分のまま変更なく、受入れ可能な産業分類のみ19分類から46分類へ拡大しました。17業務区分に拡大したのは特定技能1号であり、2号の業務区分まで広がったわけではありません。

特定技能2号の変更点

  • 業務区分:3区分のまま(変更なし)
  • 産業分類:19分類 → 46分類

特定技能2号の業務区分(変更なし)

  • 機械金属加工
  • 電気電子機器組立て
  • 金属表面処理

長期就労や工程管理を見据える場合は、上記3区分での経験と要件確認が前提になります。産業分類が広がっても、従事できる業務区分自体は増えていない点に注意してください。

自動車・航空機や「全製造業対象」をめぐる正しい理解

自動車・航空機は新しい業務区分ではなく、受入れ可能な産業分類の追加です。製造業すべてで一律に採用できるようにはなっていません。

  • 誤:すべての製造業で採用できるようになった正:対象範囲は拡大したが、産業分類と業務区分は限定されている
  • 誤:自動車・航空機が新しい業務区分として追加された正:受入れ可能な事業所の産業分類として追加された
  • 誤:特定技能2号も17業務区分に拡大した正:17区分に拡大したのは1号。2号は3区分のまま

自動車・航空機の事業所でも、外国人に担当させる仕事は機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理など、認められた業務区分の範囲内でなければなりません。

JAIM加入と、2025年6月の経産省発表との違い

工業製品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる国内事業者は、JAIM(一般社団法人工業製品製造技能人材機構)への賛助会員入会が必要です。2025年6月25日の経済産業省発表は、JAIMを特定技能外国人受入事業実施法人として登録したことに関する発表であり、2026年6月の対象範囲拡大そのものを発表した資料ではありません。

受入れ事業者はJAIM加入が必須

工業製品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる国内事業者は、JAIMへの賛助会員入会が必要です。在留申請の前に手続きを進めてください。

  • 2025年6月の発表 JAIMを受入事業実施法人として登録した内容
  • 2026年6月の改正 業務区分・産業分類の対象範囲拡大

分野の受け入れ支援や委託先の比較は、製造業向け登録支援機関の選び方も参考にしてください。

出典:経済産業省プレスリリース(2025年6月25日)JAIM公式サイト

よくある質問

すべての製造業で特定技能を使えるようになったのですか?
いいえ。2026年6月の改正で対象範囲は拡大しましたが、受入れ可能な産業分類と業務区分は限定されています。両方を満たす必要があります。
自動車製造は新しい業務区分ですか?
いいえ。自動車・同附属品製造業は、受入れ可能な事業所の産業分類として追加されたものです。従事させる業務は、認められた業務区分の範囲内である必要があります。
特定技能2号も17区分に拡大しましたか?
いいえ。17区分に拡大したのは特定技能1号です。特定技能2号の業務区分は、機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理の3区分のままです。
JAIMへの加入は必須ですか?
はい。工業製品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる国内事業者は、JAIMへの賛助会員入会が必要です。

まとめ

2026年6月1日施行の改正で、特定技能1号の工業製品製造業分野は業務区分17・産業分類76へと拡大しました。新設7区分と既存6区分の業務追加、27分類の産業追加が主な変更です。

登録支援の現場では、「産業分類に入ったから何でも任せられる」と誤解したまま採用計画を進める相談がまだ少なくありません。受け入れ前に、就労事業所の産業分類と業務区分の両方を確認し、JAIM加入の準備を並行させてください。

  • 自社事業所の産業分類が対象か確認する
  • 担当させる主たる業務が業務区分に入るか確認する
  • JAIMへの賛助会員入会を進める
  • 判断に迷う場合はお問い合わせから相談する