【建設業】国内採用の特定技能外国人の就業開始を約3か月早める「特定活動」の活用方法
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建設業で特定技能外国人を受け入れる場合、通常は入社まで6〜8ヶ月かかります。しかし「特定活動(6ヶ月・就労可)」という在留資格を使うと、2〜3ヶ月早く現場で働き始めてもらえます。
しかも、この前倒し期間はJACの受入負担金の対象外になるため、費用面でも数万円分を抑えられます。本記事では、国内採用(技能実習からの転換など)のケースに絞って、仕組みと手順、注意点まで解説します。

合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
特定技能・建設のみ必要な「建設特定技能受入計画の認定申請」
建設業だけは、国土交通省の受入計画認定と入管の在留資格変更審査を順番に通す必要があり、この二段階審査だけで4〜5ヶ月かかります。
そのうえJAC加入や建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録といった準備も必要なため、実務上は6〜8ヶ月を見込むのが安全です。制度の基礎は特定技能「建設」の業務と要件で確認できます。
| 段階 | 申請先・手続き | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 事前準備 | JAC加入・CCUS登録 | 数週間〜1ヶ月程度(団体加入は数ヶ月かかる場合あり) |
| 第1段階 | 国土交通省:建設特定技能受入計画の認定 | 2〜3ヶ月程度 |
| 第2段階 | 出入国在留管理庁:特定技能1号への在留資格変更許可 | 約2ヶ月(実務目安) |
※ 国交省認定の「2〜3ヶ月程度」はJACが公表している目安です。入管審査の「約2ヶ月」は個別に公表された標準処理期間ではなく、実務上よく参照される目安として記載しています。
出典:建設技能人材機構『建設特定技能受入計画の認定申請』、国土交通省『申請の手引き・様式』
特定活動が特定技能・建設の就業開始時期を早められる理由
特定活動(6ヶ月・就労可)への変更は、国交省の受入計画認定を経ずに入管へ直接申請できるため、受入計画認定(2〜3ヶ月)と入管の在留資格変更審査(目安約2ヶ月)をフルに待つ場合と比べて早く許可が下り、目安として2〜3ヶ月程度は前倒しして働き始められると考えられます。
特定活動の位置づけ
特定活動(6ヶ月・就労可)は、特定技能1号への変更準備中でも就労を続けられる在留資格で、二段階審査の完了を待たずに現場での就労を継続できます。
2024年1月9日以降の申請から、特定活動の在留期間は4ヶ月から6ヶ月に延長されました。建設分野はJAC加入や受入計画の準備に時間がかかるため、期間不足を補う目的で延長された経緯があります。
時短の内訳
特定活動を使わない場合、国交省の受入計画認定と入管の在留資格変更審査という4〜5ヶ月分の審査がすべて終わるまで、現場での就労を新たに始めたり続けたりできません。
特定活動は、国交省の認定を待たずに入管だけで完結する分、この4〜5ヶ月より早く許可される見込みで、差にあたる2〜3ヶ月程度が前倒し効果の目安になります(特定活動自体の審査日数は公的に個別公表されていないため、あくまで比較上の目安です)。
出典:出入国在留管理庁『特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)』
特定活動を使える対象者・条件
特定活動(6ヶ月・就労可)の対象は、特定技能1号への変更を予定していて、必要書類の準備が在留期限までに間に合わない人です。国内採用では、技能実習2号を良好に修了した人が転換するケースが典型です。
対象となる主なケース
- 現在の会社で技能実習2号を良好に修了し、同じ会社で特定技能1号へ転換する人
- 技能実習の在留期限までに、JAC加入・受入計画認定・在留資格変更が終わらない見込みの人
- 特定技能1号への変更許可申請そのものは、期限内に提出できている、または提出できる見込みの人
技能実習から特定技能への切り替え全体の流れは技能実習から特定技能への切り替え完全ガイドでも解説しています。
対象外になるケース
- 特定技能1号以外の在留資格へ変更しようとしている人
- 特定技能1号としての通算在留期間が4年6ヶ月を超える人
- 技能実習以外の在留資格から初めて特定技能を目指すなど、個別に入管確認が必要なケース
特定活動への変更申請の流れ・必要書類
特定活動への変更は、技能実習の在留期限が近づいた段階で、特定技能1号への変更準備状況を示す書類とあわせて入管へ申請します。
変更申請の流れ(ステップ)
JAC加入・CCUS登録など、特定技能1号に必要な手続きに着手する
在留期限までに特定技能1号への変更が間に合わないと判断したら、特定活動への変更許可申請を準備する
特定技能雇用契約書(案)など、変更準備が進んでいることを示す書類を添えて入管へ申請する
許可が下りたら、特定活動(6ヶ月・就労可)の在留カードで就労を継続しながら、並行してJAC受入計画・在留資格変更の手続きを進める
受入計画の認定と在留資格変更許可がそろい次第、特定技能1号への変更手続きを完了する
主な必要書類
- 特定活動への変更許可申請書
- 特定技能1号への変更に向けた雇用契約書(案)や重要事項説明の準備状況が分かる書類
- 技能実習の実施状況を示す書類(技能実習日誌など)
- 特定技能1号への変更準備が進行中であることを説明する理由書
国交省・JAC側の必要書類まで含めた全体像は建設業の外国人必要書類で詳しく整理しています。
JACの受入負担金は「特定技能1号交付月」から起算——期間短縮でいくら抑えられるか
JACの受入負担金は、特定技能1号の在留カードが交付された月を1ヶ月目として日割りなしで計算されるため、特定活動で先に働いた期間は対象になりません。
受入負担金の起算ルール(JAC公式)
JACの公式ルールでは、受入負担金の額は日割計算を行わず、1号特定技能外国人が就労を開始した日(在留カード「特定技能1号」の交付年月日)が属する月を1ヶ月目として計算します。特定活動の在留カードは「特定技能1号」ではないため、この期間は受入負担金の計算対象に含まれません。
出典:建設技能人材機構『受入れにかかる費用』、建設技能人材機構『年会費と受入負担金』
2〜3ヶ月分の目安
受入負担金は1号特定技能外国人1人につき月額12,500円(年額15万円)です。特定活動で2〜3ヶ月早く働いてもらう場合、その期間分の受入負担金がかからない計算になります。
| 特定活動で前倒しした期間 | その期間にかからない受入負担金の目安 |
|---|---|
| 2ヶ月 | 12,500円 × 2ヶ月 = 25,000円 |
| 3ヶ月 | 12,500円 × 3ヶ月 = 37,500円 |
※ 受入負担金の請求開始時期は加入区分(正会員傘下/賛助会員)や団体の運用により前後します。金額はあくまで期間短縮効果の目安としてご確認ください。
登録支援機関への委託費など、特定技能受け入れの費用全体は特定技能の費用相場で確認できます。
特定活動を使う際の注意点・使えないケース
特定活動(6ヶ月・就労可)は、特定技能1号への変更を予定する人だけが対象で、通算在留期間が4年6ヶ月を超える場合や、更新は原則1回までという制約があります。
対象範囲・期間の制約
- あくまで特定技能1号への変更準備者向けの一時的な在留資格であり、他の在留資格には対応しない
- 特定技能1号としての通算在留期間が4年6ヶ月を超える人は対象外
- 更新はやむを得ない事情がある場合に限り、1回のみ認められる
- 申請時点で、特定技能1号としての残り通算在留期間が8ヶ月以上あることが推奨されている
申請・運用面での注意点
- 特定活動の間も、就労できる業務範囲や労働条件は法令の保護対象であり、通常の労働者と同様に扱う必要がある
- 受入計画の認定や在留資格変更が長引くと、特定活動の期間内に収まらないリスクもある
- 出入国在留管理庁は、この特定活動への変更申請が増えたことで審査期間が長期化しているとして、特定技能1号への移行が見込める場合はできる限り早めに直接の変更許可申請を行うよう案内している
よくある質問
- 特定活動を使わず、通常のルートで手続きを進めても問題ありませんか?
- 問題ありません。特定活動は必須の手続きではなく、在留期限までに通常ルートの審査が終わらない見込みのときに使う救済的な選択肢です。
- 特定活動の間、給与や労働条件は変わりますか?
- 特定活動の間も一般的な労働者として保護される権利や給与水準は維持されます。特定技能1号への変更前後で待遇を大きく変える必要はありません。
- 海外から新規に採用する場合も、この仕組みは使えますか?
- 特定活動(6ヶ月・就労可)は、すでに国内に在留していて特定技能1号への変更を予定している人が対象です。海外からの新規採用では、通常は入国前の在留資格認定証明書交付申請のルートになります。
- JACの受入負担金は、特定活動が終わった後にさかのぼって請求されますか?
- JACの公式ルールでは、受入負担金は特定技能1号の在留カード交付月を1ヶ月目として計算します。特定活動の期間までさかのぼって請求される仕組みではありません。
まとめ
建設業で国内採用の特定技能外国人を受け入れる場合、通常は入社まで6〜8ヶ月かかりますが、特定活動(6ヶ月・就労可)を使うと2〜3ヶ月早く現場で働いてもらえます。
エドミールが建設業の受け入れを伴走する中でも、技能実習の在留期限が近づいてから慌てて動き出す企業が少なくありません。特定活動という選択肢を知らないまま、現場の人手が足りない期間をただ我慢してしまうケースもよく見かけます。
- JACの受入負担金が「特定技能1号交付月」から起算されるという公式ルールまで理解して逆算できている企業は、まだ多くありません
- 書類の準備をどれだけ早く動かせるかが、時短と費用の両方を左右します
特定活動の対象になるかどうかの判断や、受入計画・JAC加入の手続きでお困りの場合は、無料相談へご連絡ください。

