自動車整備会社が「特定技能外国人」を雇用するまでの流れ・費用・注意点

自動車整備会社が「特定技能外国人」を雇用するまでの流れ・費用・注意点

公開日
最終更新日

自動車整備会社が特定技能外国人を雇用するまでの流れは、任せる業務の整理から協議会加入・在留資格申請・就労後の支援まで、おおよそ9の段階に分かれます。費用は人材紹介・申請・渡航・住居準備などの初期費用と、登録支援機関の月額委託・給与・社会保険などの継続費用があり、国内採用と海外採用で大きく差が出ます。

登録支援機関として整備工場の採用相談を受けると、認証工場の可否・協議会の加入時期・費用の三点でつまずくことが多いです。本記事では企業条件から費用・期間・注意点までを実務順に整理します。

合同会社エドミール代表社員・武藤拓矢
合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢

2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立しました。

武藤 拓矢のプロフィール

自動車整備分野の「特定技能」とは

自動車整備分野の特定技能とは、地方運輸局長の認証を受けた整備事業場で、日常点検整備・定期点検整備・特定整備などに従事できる在留資格です。

特定技能には1号と2号があり、1号は通算5年が上限で、2号は要件を満たせば在留上限がなく、家族の帯同も可能になります。

特定技能1号 項目 特定技能2号
通算5年まで 在留 上限なし(更新)
原則不可 家族帯同 要件を満たせば可能
必要 支援計画 不要
4,560人 在留者数 320人

出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」(令和7年12月末・速報値)

初めて採用する場合は、基本的に特定技能1号から進めます。特定技能2号は日本人と同等レベルの人材として引き合いも強く、採用の難易度は日本人採用に近いのが実情です。

初めて特定技能外国人を採用する場合は「特定技能1号」と認識しておきましょう。

特定技能制度の基本情報や可能業務の全体像は、特定技能「自動車整備」の可能業務・基本情報ご確認ください。

技能実習・技人国との違い

  • 特定技能

    分野試験等をクリアした即戦力向け。転職も可能

  • 技能実習

    技能習得が目的。監理団体など別体制が必要(今後は育成就労へ移行)

  • 技人国

    設計・管理・翻訳など「技術・知識」寄り。現場整備のみだと適合しにくい

自動車整備で外国人材を雇う主な在留資格は、特定技能・技能実習・技術・人文知識・国際業務(技人国)です。現場の整備作業を中心に即戦力を雇うなら、特定技能が最も実務に合いやすい制度です。

特定技能1号で任せられる業務

特定技能1号では、日常点検整備・定期点検整備・特定整備を主たる業務とし、洗車や部品整理などの付随業務も一定の範囲で任せられます。一方で、受付専属や営業のみなど、整備が主でない配置は認められにくいです。

主たる業務

  • 日常点検整備

    灯火・液量・ハンドル操作など

  • 定期点検整備

    12か月点検・24か月点検など

  • 特定整備

    重要装置の取り外し整備・改造など

特定技能1号で任せられる主たる業務は、自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備(旧・分解整備を含む)です。エンジン、ブレーキ、動力伝達、走行、かじ取りなど、安全に直結する装置の整備が中心になります。

付随して任せられる業務

  • 洗車

    外装洗浄・仕上げなど

  • 車内清掃

    シート・フロアなどの清掃

  • 部品整理・検索

    部品番号検索・棚整理など

  • ナビ・ETC取付

    電装品の取付作業など

  • 下廻り塗装

    防錆塗装などの付随作業

  • 構内清掃

    工場内の清掃・整理整頓

主業務に付随する関連業務として、洗車、車内清掃、部品番号検索、ナビ・ETC取付、下廻り塗装、構内清掃なども認められます。ただし、労働時間の大半を付随業務だけに充てる運用は認められません。

任せられない・認められにくい業務

  • 受付・フロントのみ

    接客専属の配置は不可

  • 営業・販売のみ

    整備が主でない営業配置

  • 配送・倉庫のみ

    部品配送・倉庫専属は不可

  • 事務・経理のみ

    デスクワーク専属は不可

  • 洗車・清掃専従

    付随業務を主にしてはいけない

特定技能の在留資格は、自動車整備分野の技能を要する業務に従事することが前提です。上記のような配置は避けてください。

付随業務を混ぜる場合でも、主たる業務が整備であることを作業日報などで説明できる状態にしておくと安心です。配置まわりの注意点は、自動車整備事業者が注意すべきポイントでも整理しています。

付随業務の線引きと違反リスク

付随業務かどうかは定量基準がなく、定性的な判断になります。資格外就労をさせた場合、不法就労助長罪として現在は3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金の対象になり得ます(改善命令は制度開始後4件)。

自動車整備分野で、洗車・清掃などを付随業務と偽って処分された公表事例や、この類型に限った件数統計は確認できません。一方、特定技能外国人を別業種で働かせて摘発された事例はあります。

特定技能外国人を雇用するための企業の条件

自動車整備事業者が特定技能外国人を雇用するには、次の5点の条件をクリアする必要があります。

  1. 認証工場であること
  2. 協議会への加入
  3. 外国人との直接雇用
  4. 日本人と同等以上の待遇
  5. 1号の支援体制
条件 01

地方運輸局長の認証を受けた整備工場であること

受入れ機関は、道路運送車両法第78条第1項に基づく地方運輸局長の認証を受けた事業場である必要があります。認証の装置範囲が限定されていても、二輪のみの認証工場であっても、分野上は受入れ対象になり得ます。

第七十八条 自動車特定整備事業を経営しようとする者は、自動車特定整備事業の種類及び特定整備を行う事業場ごとに、地方運輸局長の認証を受けなければならない。

出典:道路運送車両法 第78条第1項(e-Gov法令検索)

出典:国土交通省「自動車整備分野『特定技能外国人』受入れのためのガイドブック」

条件 02

自動車整備分野特定技能協議会に加入すること

国土交通省が設置する「自動車整備分野特定技能協議会」の構成員になる必要があります。会費は不要で、管轄の地方運輸局へ届出します。

在留申請時に構成員であることの証明が求められる運用が一般的なので、申請前に加入を完了させるのが実務の前提です。

条件 03

外国人と直接雇用契約を結ぶこと

特定技能外国人とは直接雇用契約を結ぶ必要があります。派遣や請負だけで受け入れることはできません。

条件 04

日本人と同等以上の給与・待遇を設定すること

報酬は、同程度の技能・経験の日本人と同等以上である必要があります。基本給だけでなく、手当・昇給・残業代の扱いも日本人と同じ基準で設計します。

条件 05

特定技能1号外国人の支援体制を整えること

特定技能1号で外国人を採用する場合、義務的支援10項目を実施する計画が必要です。自社実施も登録支援機関への委託、あるいは一部委託も可能です。

武藤 拓矢

合同会社エドミール 代表社員

武藤 拓矢

弊社(エドミール)でも特定技能「自動車整備」の支援に取り組んでおります。

全ての支援はもちろんのこと、受け入れ企業の導入成功に向けて現場の従業員向けの指導研修も取り組んでおります。

特定技能「自動車整備」の支援についてもご確認のうえ、お問い合わせからお気軽にご相談くださいませ。

以上が、自動車整備事業者が特定技能外国人を受け入れるための企業側の条件です。

認証工場・協議会・支援体制が揃っており、雇用条件・採用条件が問題なければ、次は採用する外国人本人の試験・資格要件を確認します。

採用する特定技能外国人の条件

採用する外国人側では、次の5点を確認してください。

  1. 技能評価試験の合格
  2. 日本語試験の合格
  3. 技能実習2号からの移行
  4. 国内/海外の違い
  5. 面接時の実務確認
条件 01

自動車整備分野特定技能1号評価試験への合格

技能水準は、「自動車整備分野特定技能1号評価試験」または「自動車整備士技能検定3級」の合格で示します。評価試験は学科・実技をCBT方式で実施する運用が一般的です。

条件 02

日本語試験への合格

日本語は、日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格が必要です。技能実習2号を良好に修了して移行する場合は、日本語試験が免除されます。

条件 03

技能実習2号から移行する場合の条件

自動車整備職種・自動車整備作業の技能実習2号(または3号)を良好に修了した人は、技能試験・日本語試験なしで特定技能1号へ移行できるルートがあります。良好修了の証明(評価調書や技能検定など)をそろえる必要があります。

条件 04

国内在住者と海外在住者の違い

国内在住者は在留資格変更、海外在住者は在留資格認定証明書(COE)交付後の査証取得・入国が中心です。国内採用の方が、渡航手配や現地手続きが少なく、期間・費用を抑えやすい傾向があります。

国内在住者 項目 海外在住者
在留資格変更 主な申請 COE+査証+入国
原則なし 渡航費 原則発生
10万円前後
変更時のみ 住居手配 原則必要
入国前に確保
既存生活の切替が中心 生活
準備
口座・行政手続きが重い
条件 05

面接時に確認したい実務経験と日本語力

制度上の試験合格だけでは、現場での指示理解や安全作業は保証されません。面接では、次の点を確認してください。

  • 整備経験の内容

    担当してきた車種・装置(エンジン、ブレーキ、電装など)を具体的に確認します。

  • 工具・診断機の使用経験

    使用してきた工具や診断機、作業の進め方をヒアリングします。

  • 日本語での指示理解・報連相

    点検記録や作業指示書を読んで進められるか、口頭の指示を理解できるかを見ます。

  • 工場ルール・安全意識

    安全靴、合図、危険予知など、日本の工場ルールへの適応を確認します。

自動車整備事業者が特定技能外国人を雇用するまでの流れ

  1. 約1週間 業務と条件の決定
  2. 約数日 採用ルート選択
  3. 約2週間 資格確認・面接
  4. 約数日 雇用契約
  5. 約1〜2週間 支援計画と事前ガイダンス
  6. 約1〜2週間 協議会加入
  7. 約1〜3か月 在留資格申請
  8. 約2週間 入国・住居準備
  9. 継続 就労後の支援・届出

STEP 01任せる業務と採用条件を決める

主業務と付随業務の割合、必要な経験年数、給与レンジ、配属工場を先に決めます。ここで曖昧だと、面接後に契約条件がぶれます。

STEP 02国内採用・海外採用のどちらかを選ぶ

国内の技能実習修了者や試験合格者を採るか、海外から呼び寄せるかを選びます。急ぎなら国内、母集団を広げたいなら海外、という判断が多いです。

補足|自動車整備分野の採用事情

自動車整備は、2025年から始まった制度で、転職組がほとんどいません。そのため、基本的には国外採用となります。

STEP 03資格確認・面接を行う

評価試験・日本語試験・技能実習修了証明、履歴書と過去申請内容の整合を確認したうえで、技術・日本語・人物面を面接します。整備分野では実技確認や過去の作業内容の深掘りが有効です。経歴の食い違いは不許可の典型原因です。

STEP 04雇用契約を締結する

特定技能雇用契約を、日本人と同等以上の報酬で締結します。直接雇用であること、業務内容、勤務地、労働時間を明確にします。

STEP 05支援計画を作成して事前ガイダンスを行う

1号特定技能外国人支援計画を作成し、本人が理解できる言語で事前ガイダンスを実施します。健康診断も契約後の重要な準備です。

STEP 06特定技能協議会へ加入する

管轄の地方運輸局へ協議会の入会届出を行い、構成員資格証明書を取得します。在留申請前に完了させるのが現在の実務です。

STEP 07在留資格を申請する

国内採用なら在留資格変更、海外採用ならCOE交付申請を地方出入国在留管理局へ行います。標準処理期間の目安は案件により1〜3か月程度です。

STEP 08入国・住居準備・行政手続きを行う

海外採用では査証取得・入国後、住居確保、住民登録、給与口座開設、生活オリエンテーションを進めます。国内採用でも住居変更や行政手続きの支援が必要です。

STEP 09就労開始後の支援・届出を行う

就労開始後は定期面談や相談対応などの支援を継続し、入管への定期届出・随時届出を漏らさないようにします。更新時に支援実施の記録が重要になります。

特定技能外国人の採用にかかる費用

国内採用 項目 国外採用
10〜30万円 人材紹介 10〜30万円
10〜15万円 在留資格申請 10〜15万円
原則なし 渡航費 10万円前後
変更時のみ
要相談
居住地
敷金・礼金
10〜20万円前後
5〜10万円 義務的支援 5〜10万円
2〜3万円/月 支援委託費 2〜3万円/月
約25〜55万円
+月2〜3万円
合計 約45〜85万円
+月2〜3万円

初期費用は人材紹介・在留申請・渡航・住居準備などが中心で、継続費用は登録支援機関の月額委託に加え給与と社会保険がかかります。国内採用は海外呼び寄せより渡航関連を抑えやすい傾向があります。

分野横断の相場感は、特定技能の費用相場登録支援機関の支援委託費用相場もあわせて確認してください。

採用時に発生する初期費用

初期費用の中心は、人材紹介手数料、在留資格申請の代行費、試験関連の実費、支援開始時の初期費用です。紹介ルートや人数によって幅があります。

項目目安
人材紹介手数料10万〜30万円前後/人
在留資格申請代行(行政書士等)10万〜15万円前後/件
登録支援の初期費用5万〜10万円前後/人

※金額は一般的な目安です。契約内容・国・人数で変動します。

海外から採用する場合の追加費用

海外採用では、現地送り出し機関費用、渡航費、渡航前の健康診断・書類準備費用などが追加されやすいです。国や送り出し制度によって負担区分が異なります。

在留資格申請を委託する費用

申請書類の作成・取次を行政書士や登録支援機関に委託する場合、1件あたりおおよそ10万〜15万円前後が目安です。更新・変更のたびに別途発生することがあります。

登録支援機関に支払う月額費用

義務的支援を委託する場合の月額は、1人あたり2万〜3万円程度が相場です。

住居・渡航・生活準備にかかる費用

敷金・礼金・家電・布団などの生活立ち上げ費用、海外採用時の航空券などがかかります。会社負担か本人負担かを契約前に文書で固定します。

雇用後に発生する給与・社会保険料

継続コストの最大は給与と社会保険料です。外国人であること自体で安く設定することはできず、日本人と同等以上の処遇が前提です。

国内採用と海外採用の費用比較

国内採用は渡航・送り出し関連を抑えやすく、海外採用は初期総額が高くなりやすいです。一方で、国内は候補者の母集団が限られる場合があります。

比較軸国内採用海外採用
初期費用比較的抑えやすい渡航・現地費用で上振れしやすい
期間短縮しやすい長くなりやすい
候補者層実習修了者・国内合格者が中心母集団を広げやすい

1人を採用した場合の費用シミュレーション

国内採用の一例では、初期合計がおおよそ25万〜55万円前後になるケースがあります。海外採用では渡航・現地費用が乗り、初期合計が45万〜85万円前後になることもあります。

  • 1年目の継続費:支援委託(月2万〜3万円)+給与・社会保険
  • 見落としやすい費用:更新申請、通訳、家電・住居実費
  • 費用対効果は「初期の安さ」より定着率で見る

【採用ルート別】採用から就労開始までにかかる期間

国内在住者の採用はおおよそ2〜4か月、海外からの呼び寄せはおおよそ4〜6か月以上が目安です。協議会加入や入管審査、書類不備があるとさらに延びます。

国内在住者を採用する場合の期間

国内採用は、面接から契約、支援計画、協議会、在留資格変更までを含めておおよそ2〜4か月が目安です。試験合格済み・実習修了済みなら短縮しやすいです。

海外から呼び寄せる場合の期間

海外採用は、現地手続き・COE・査証・入国を含むため、おおよそ4〜6か月以上を見込むのが現実的です。国や時期によってさらに延びることがあります。

手続きが長引きやすいケース

書類不備、経歴の不一致、協議会証明書の未取得、報酬水準の説明不足、健康診断のやり直しなどは審査を遅らせます。申請前のチェックリスト化が有効です。

採用希望時期から逆算したスケジュール

たとえば6か月後に配属したい場合、海外採用なら「今すぐ募集開始」、国内採用でも「4か月前までに内定」を目安に逆算します。繁忙期(車検ピーク)の前に余裕を持つと現場が安定します。

  1. 配属希望月から逆算して在留許可の余裕を確保
  2. その前に協議会加入と支援計画を完了
  3. さらに前倒しで面接・条件決定を終える

自動車整備事業者が注意すべきポイント

特に注意したいのは、認証工場と指定工場の混同、業務範囲外の配置、洗車・清掃の専従、待遇差別や不当な給与控除、日本語試験合格のみでの判断、無免許運転、定着策不足、安全・用語教育不足、2号キャリアの未整備です。

「認証工場」と「指定工場」を混同しない

受入れの基本条件は「認証工場」であることです。指定工場は認証工場のうち追加の指定を受けた工場で、指定を受けていなくても認証があれば受入れ対象になり得ます。

在留資格で認められた業務範囲を超えない

特定技能の在留資格は、自動車整備分野の業務に従事することが前提です。営業専属や受付専属など、主業務から外れた配置は避けます。

洗車や清掃だけを主な仕事にしない

洗車や清掃は付随業務としては認められますが、それが主業務になってはいけません。作業日報などで主業務比率を説明できる状態が望ましいです。

外国人であることを理由に給与を下げない

国籍を理由に低い賃金を設定すると、同等報酬の基準に反します。同職種の日本人の賃金台帳と比較できる水準にします。

給与から住居費などを不当に控除しない

住居費などを控除する場合でも、実費相当か、労使合意と就業規則に基づく適正な範囲かが問われます。過大控除はトラブルと行政リスクの原因です。

日本語試験合格だけで現場対応力を判断しない

N4合格は入口条件であり、整備指示書の読解や安全指示の理解までは保証しません。配属後の用語教育とOJTをセットで設計します。

自動車の運転には日本で有効な免許が必要

特定技能の在留資格があっても、日本で有効な運転免許がなければ公道運転はできません。社用車での移動を任せる場合は免許の有無を必ず確認します。

転職を前提とした定着対策を行う

特定技能は同一分野内での転職が可能です。給与だけでなく、教育、評価、住居、相談窓口の質が定着を左右します。

安全教育と専門用語の教育を行う

整備現場は安全ミスが重大事故につながります。工具名・装置名・危険予知を母国語や易しい日本語で教える時間を最初に確保します。

特定技能2号を見据えたキャリアを用意する

自動車整備分野は2号があるため、長期定着の道筋を示せます。2級整備士や2号評価試験、指導役への育成を早い段階で共有すると動機づけになります。

自社支援と登録支援機関への委託はどちらがよい?

自社支援は基準を満たせば可能ですが、多くの整備工場は登録支援機関への委託が現実的です。自動車整備分野への対応実績と、人材紹介料と支援委託料の内訳を分けて確認してください。

制度上の役割は登録支援機関とは?でも解説しています。支援の依頼先は特定技能支援サービスからも確認できます。

自社で支援する場合の要件と業務

自社支援では、支援責任者・担当者の配置、義務的支援10項目の実施、相談対応、定期面談、届出管理などを自前で回します。兼務が多くなると品質が落ちやすいです。

登録支援機関へ委託できる業務

支援計画の全部または一部を登録支援機関へ委託できます。全部委託なら、日常の生活支援や定期面談の実務負荷を大きく減らせます。

登録支援機関を選ぶ際のチェックポイント

登録支援機関は、応答速度、母国語対応、届出の正確さ、定着支援の実績を確認して選びます。担当者が固定されているかも重要です。

  • 義務的支援の実施範囲が契約書で明確か
  • 定期面談の頻度と記録方法
  • 更新・変更申請のサポート範囲

自動車整備分野に対応しているか確認する

自動車整備分野では、委託先の登録支援機関自身も協議会に入会している必要があります。さらに、自動車整備士1級もしくは2級、または養成施設での5年以上の指導経験を持つ者がいることが求められます。

人材紹介料と支援委託料を分けて確認する

紹介と支援が同じ会社でも、紹介手数料(初期)と支援委託料(月額)は別費用です。総額だけでなく、何に対する対価かを分けて見積もりを取ります。

自動車整備分野の特定技能に関するよくある質問

認証工場でなければ雇用できませんか?
原則として、地方運輸局長の認証を受けた整備事業場であることが必要です。認証がない工場では、この分野の特定技能受入れはできません。
ディーラーや中古車販売店でも雇用できますか?
ディーラーや中古車販売店でも、地方運輸局長の認証を受けた整備事業場を有していれば受入れできる可能性があります。販売のみで認証がない場合は対象外です。
アルバイトやパートとして雇用できますか?
特定技能はフルタイムの直接雇用が前提です。いわゆるアルバイト・パートのみの形態での受入れは想定されていません。
板金塗装や洗車を任せられますか?
洗車は付随業務として任せられますが、主業務にしてはいけません。板金塗装が分野業務にどこまで含まれるかは、業務実態に応じて確認が必要です。
特定技能外国人は転職できますか?
同一の業務区分内であれば転職できます。転職先でも受入要件を満たし、必要な在留手続きを行う必要があります。
特定技能1号では何年間雇用できますか?
特定技能1号の在留は通算5年までです。期間中は更新しながら就労し、要件を満たせば2号への移行を検討できます。
特定技能2号へ移行できますか?
自動車整備分野は2号があります。2号評価試験または2級整備士資格など、所定の要件と実務経験を満たす必要があります。
家族を日本へ呼ぶことはできますか?
1号では原則として家族帯同はできません。2号へ移行し、要件を満たせば配偶者や子の帯同が可能になります。
採用から勤務開始まで何か月かかりますか?
国内採用はおおよそ2〜4か月、海外採用はおおよそ4〜6か月以上が目安です。書類状況や審査状況で前後します。
採用費用の総額はいくらですか?
国内採用の初期はおおよそ25万〜55万円前後、海外採用は45万〜85万円前後になる例があります。加えて月額の支援委託(2万〜3万円)と給与・社会保険が継続します。

【まとめ】まずは特定技能の専門家「登録支援機関」に相談しよう

自動車整備分野の特定技能採用は認証・協議会・試験・支援・在留申請が連なるため、要件確認とスケジュール設計から専門家に相談するのが近道です。自社だけで進めると、申請前の協議会や委託先の分野要件で止まりやすいです。

  • まず自社が認証工場かどうかを確認する
  • 国内採用か海外採用かで費用と期間を試算する
  • 支援は自社か委託かを早期に決める

現場を止めずに外国人材を戦力化したい場合は、自動車整備分野に対応した登録支援機関へ相談し、採用計画を具体化してください。