特定技能「リネンサプライ」分野とは|受入れ要件・見込み数・申請状況を解説
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リネンサプライ分野は、2026年1月23日の閣議決定を経て特定技能・育成就労の対象分野に追加され、2026年6月1日から特定技能1号の在留資格申請が既に受け付けられています。ホテル・病院・介護施設のシーツやタオル類を扱うこの業界では深刻な人手不足が続いており、外国人材の受け入れがいよいよ制度として動き始めています。
新設3分野の全体像は特定技能の新分野とはで整理しています。本記事では、リネンサプライ分野に絞って、対象業務、受け入れ見込み数、外国人材に求められる要件、企業が今から準備すべきポイントを、厚生労働省・出入国在留管理庁の公表資料に沿って解説します。
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合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ700名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立。2025年には4つの商工会議所で「外国人活用セミナー」の講師を務める。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能「リネンサプライ分野」が制度に追加──申請は既に受付中
リネンサプライ分野は2026年1月23日の閣議決定を経て特定技能・育成就労の対象分野に追加され、2026年6月1日から特定技能1号の在留資格申請が受け付けられています(出典:厚生労働省「リネンサプライ分野における新たな外国人材の受入れ」、2026年7月時点)。
日本の宿泊・医療・介護業界では人手不足と高齢化が深刻化しており、外国人材の活用が強く求められてきました。特定技能制度は2019年の創設以来、現行16分野から物流倉庫・リネンサプライ・資源循環を加えた19分野へ拡大が進んでおり、制度全体の経緯は特定技能の新分野とはで解説しています。
リネンサプライ業とは?
リネンサプライ業とは、ホテル・病院・介護施設などから回収したシーツ・枕カバー・タオル・制服などを洗濯・仕上げ・再納品する衛生管理型の業務です。
業務内容の一例:
- リネン類の入荷・仕分け
- 産業用洗濯機での洗浄作業
- 高温プレス・仕上げ・結束包装
- 出荷準備・施設への再納品
感染症対策や納期管理の精度が求められ、高い品質基準と安全管理のもとで行われる業務です。
対象業務(業務区分と従事できる仕事)
特定技能「リネンサプライ」の業務区分は1つで、リネン類の入荷から出荷までの一連の作業に従事します。
受け入れ実務や支援の進め方は、特定技能「リネン供給」の受け入れ支援でも案内しています。
- 主たる業務:リネン類の入荷・仕分け、洗浄、仕上げ・プレス、出荷準備など一連の工程
- 付随できる関連業務:使用資材の運搬、清掃作業など、日本人が通常従事する関連業務
関連業務だけに従事させる配置は認められないため、雇用契約と実際の担当作業がリネンサプライ分野の中心業務に合っているかを確認する必要があります。
制度開始の見通しと受け入れ見込み数
制度の本格的な受け入れ拡大は2027年4月以降が見込まれ、2026〜2028年度(令和8〜10年度)の3年間で特定技能1号4,300人・育成就労3,400人、合計7,700人の受け入れが見込まれています。
内訳は次のとおりです。
- 特定技能1号:2026年度(令和8年度)から3年間で上限4,300人
- 育成就労:2027年度(令和9年度)から2年間で上限3,400人
技能評価試験の名称は「リネンサプライ分野特定技能1号評価試験」と決まっていますが、本記事執筆時点(2026年7月29日)で具体的な実施日程は公表されていません。求人・採用計画で試験日を断定しないよう注意してください。
外国人が取得するための要件
特定技能1号としてリネンサプライ分野に従事するには「リネンサプライ分野特定技能1号評価試験」の合格と、日本語教育の参照枠でA2相当以上の日本語能力が必要です。
- 技能水準:リネンサプライ分野特定技能1号評価試験
- 日本語能力水準:日本語教育の参照枠A2相当以上(目安:JLPT N4以上またはJFT-Basic合格)
技能実習・育成就労を経由せず直接特定技能1号の試験に合格するルートに加え、2027年度からは育成就労として就労を開始し、段階的に技能を高めるルートも用意されています。
企業が今からできる準備
企業は今から、制度の基本理解、支援体制の整備、求人票作成、多言語での衛生・安全教育という4つの準備を計画的に進める必要があります。
- 制度の基本理解:制度対象職種、試験内容、支援体制の把握
- 支援体制の整備:登録支援機関との提携、住居・生活インフラの準備
- 求人票作成:職務内容・賃金・福利厚生の明示
- 衛生・安全教育の整備:多言語マニュアルやOJT体制の準備
制度開始時に即採用・即戦力化するには、2026年度中に受け入れ体制の基本構築を始めるのが理想です。
特定技能所属機関に求められる基準
受け入れ企業(所属機関)には、衛生基準の認定取得、分野別協議会への加入、義務的支援の実施という3つの基準が課されます。
- 業界団体(日本リネンサプライ協会または医療関連サービス振興会)が定める衛生基準の認定を受けた施設であること
- リネンサプライ分野特定技能協議会の構成員になり、協議が調った措置を講じること
- 1号特定技能外国人支援計画を作成し、10項目の義務的支援を実施すること
- 適正な雇用契約を締結し、日本人と同等以上の報酬を支払うこと
これらは出入国在留管理庁・厚生労働省が公表した分野別運用方針に基づく条件であり、受け入れ準備の初期段階で自社が対応できるかを確認しておく必要があります。所属機関としての義務的支援の詳細は特定技能の所属機関で解説しています。
登録支援機関の選定ポイント
登録支援機関を選ぶ際は、リネン業務への対応経験、母国語での相談窓口、法令遵守・支援体制の明確さの3点を基準にします。
- リネン業務への対応経験・支援実績
- 対応言語・母国語での相談窓口の有無
- 法令遵守・支援体制が明確であること
支援を内製化する場合は、支援責任者の選任・10項目の義務支援の実施が必要です。
よくある質問
- 特定技能「リネンサプライ」はもう申請できますか?
- はい。2026年6月1日から特定技能1号(リネンサプライ分野)の在留資格申請が受け付けられています。ただし技能評価試験の実施日程は本記事執筆時点(2026年7月29日)で公表されていないため、試験合格を前提とした採用計画は公式発表を確認しながら進めてください。
- 技能実習からリネンサプライ分野の特定技能へ移行できますか?
- 出入国在留管理庁が公表した分野別運用方針で確認できるのは、2027年度から始まる育成就労制度を経由して特定技能1号へ段階的に移行するルートです。従来の技能実習制度からの試験免除等の移行措置は、本記事執筆時点で公式に確認できていません。
- 外国人材にはどの程度の日本語能力が必要ですか?
- 特定技能1号としてリネンサプライ分野に従事するには、日本語教育の参照枠でA2相当以上の日本語能力が必要です。目安としてJLPT N4以上またはJFT-Basic合格が挙げられます。
- リネンサプライ分野の受け入れ見込み数はどのくらいですか?
- 2026〜2028年度(令和8〜10年度)の3年間で、分野全体では7,700人です。内訳は特定技能1号が4,300人、育成就労が3,400人となっています。
まとめ:2027年4月の本格稼働に向けた「今からの準備」が鍵
リネンサプライ分野は2026年1月23日の閣議決定と2026年6月1日の申請受付開始を経て、2027年4月の本格稼働に向けた準備段階に入っています。
「制度を知る・採用ルートをつくる・支援体制を整える」という3つの軸を2026年度中から実行し、衛生基準の認定施設であるか分野別協議会への加入条件を満たせるかを採用計画の前に確認しておくことで、他社に先行した採用成功が実現できます。慢性的な人手不足の時代に備え、今こそ制度活用の準備を始めましょう。

